◆短時間労働者への社会保険適用が広がります
パート・アルバイトなどの短時間労働者については、これまで段階的に社会保険の加入対象が拡大されてきました。今後も順次適用範囲は広がる予定であり、企業においては対象となる従業員の確認や、働き方についての検討がより重要になります。
社会保険に加入すると、従業員は将来の年金額の増加や保障の充実といったメリットを受けられる一方で、健康保険料・厚生年金保険料の本人負担が発生します。そのため、手取り収入の減少を避けるために勤務時間を調整する「就業調整」が課題となっています。
◆保険料負担を軽減する制度が始まります
こうした背景から、短時間労働者の社会保険加入を後押しするため、令和8年10月より一定の要件を満たす事業所を対象に「保険料調整制度」が設けられます。
この制度では、制度の利用開始から通算3年間、事業主が一時的に追加負担することで、対象従業員の社会保険料を軽減します。事業主が追加負担した分は、一定期間経過後に支払う保険料から全額控除され、最終的に事業主が納付する保険料は増えません。
◆対象となる事業所
・令和8年10月1日以降任意特定適用事業所となることができる事業所
※令和8年9月30日以前に任意特定適用事業所となった事業所は、対象外
・令和9年10月1日以降、順次対象となる事業所
原則として、令和9年10月1日以降の短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大により、短時間労働者が新たに加入対象となる事業所が、保険料調整制度の対象になります。
※令和9年10月~ 厚生年金の被保険者数が36人~50人の事業所
◆対象となる被保険者
保険料調整制度を利用した場合、以下の3つの条件にすべて該当する短時間労働者が対象となります。
(1)週の所定労働時間が20時間以上(フルタイムの3/4未満)
(2)月収が13万未満
(3)学生でない
◆保険料の負担割合
被保険者の負担軽減の割合は、対象となる被保険者の標準報酬月額に応じて異なります。また、制度利用3年目は軽減割合が半減します。
保険料調整制度を利用するためには、事業所が保険料調整制度の対象となった日から2年以内に、管轄の年金事務所へ開始申出をする必要があります。
社会保険労務士 神山 真由美



