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紙の約束手形・小切手が廃止されます!

政府・産業界・金融界が一丸となって 「2026年度末までに約束手形・小切手の交換枚数をゼロにする」 ことを目標にしています。これに先立ってメガバンク3行は、2025年度中で紙の約束手形と小切手の発行を終了すると発表しました。今号では紙の約束手形の廃止にあたって、会社経営者の具体的な対応方法をお知らせいたします。

◆廃止の理由

約束手形・小切手は「紙」でのやりとりです。利用枚数は減ってきてはいるものの、2023年に年間2,468万枚の紙の利用がありました。しかし、約束手形は、日本他数国のみの決済方法で、世界の主流は、銀行振り込みによる支払いです。約束手形は、受け取った側が現金化できるまでの期間が長い、割引に日数がかかるなどのデメリットがありました。 また、「紙」でのやりとりのため、受け取った側は、紛失・盗難リスクがありました。それらを背景に、日本のデジタル化を進めたい政府の方針が、今回の廃止につながっています。

◆代替手段 「電子記録債権」 とは

約束手形の代替決済方法として、電子記録債権が推奨されています。電子記録債権は、決めた期日に金融機関の間で代金を自動送金する電子取引です。電子記録債権を受け取った側は、約束手形同様に割引くことが可能です。また、従来の割引よりも期間がかからず、分割して必要な額だけ割引くことも可能です。約束手形同様に、譲渡もできますし、紛失・盗難リスクもありません。

◆電子記録債権導入にあたって

  1. 取引金融機関との契約

電子記録債権は、2024年11月現在4種類あります。運営主体が違うため複数ありますが、全国銀行協会が設立した 「でんさいネット」 が一般的です。多くの金融機関が参加している全銀行導入型のシステムで互換性に優れています。でんさいで電子記録債権を使用するには、でんさいを扱う金融機関と利用契約を結ぶことが必要です。契約料や基本料がかからない金融機関が多いですが、インターネットを使って取引するため、別途ネットバンク契約及び利用料が必要です。また、取引の記録を残すため、取引に応じて手数料がかかります。

  1. 取引先との調整

でんさいは、受け取る側もでんさい利用契約を結ぶ必要があります。そのため、これまで約束手形で決済していた取引先に対して、でんさいが利用可能か確認します。でんさいの利用契約をしていないようであれば、約束手形が廃止になる旨を伝え、導入を検討してもらいましょう。

  1. メリットと注意点

電子記録債権は取引に応じて手数料がかかりますが、約束手形や小切手と違い、用紙代、郵送費用、印紙代などが抑えられるメリットがあります。利便性も高く、約束手形で出来ることは同じく出来ます。ただし約束手形同様に不渡りもあります。

これまで当たり前に利用されていた紙の約束手形は、2026年度末には廃止されます。支払う側は、資金繰りを悪化させないためにも電子記録債権 (でんさい) を活用してみてはいかがでしょうか。

税理士 久保 康高

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