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前年度比1.7倍 企業版ふるさと納税について

内閣府が昨年の8月に発表した企業版ふるさと納税の令和5年寄附実績によると、令和4年度に比べて寄附件数は1.7倍、寄付金額は1.4倍と増加し、年々増加傾向にあります。

個人のふるさと納税は広く多くの人に周知、利用されている一方で、企業版ふるさと納税は、創設当初はメリットが少なく、ほとんど利用している企業は無いという印象でした。

しかし、令和2年の税制改正によって寄附額に対して最大6割であった税額軽減効果が、最大約9割まで引き上げられたことで、企業にとって活用しやすくなったという背景があります。

※最大9割とは、寄附額が全額損金(利益の減少)になることで約3割の法人税が減少し、寄附額の最大6割が法人住民税(法人税割額及び法人事業税の2割上限)から控除されます。

企業版ふるさと納税には、金銭による寄附だけではなく、人材派遣型という制度もあります。これは、自社の人材を地方へ派遣し、地方創生プロジェクトに従事させながら、その際に発生する人件費を含む事業費を寄附することで、同様の優遇措置が適用されます。人材不足といわれている昨今、なかなか自社の従業員を地方に派遣する人的余裕はないかもしれませんが、普段なかなか経験できない事業に従事するチャンスと捉え、人材育成の機会と考える企業もあるようです。

企業版ふるさと納税には、個人版のような経済的利益の返礼が禁止されているため、税額軽減措置以上の恩恵を直接的に受けられるということはありませんが、「地方公共団体のHPや広報誌などへの企業名が掲載され、取引先や金融機関などへの信用力向上につながった」「地方とのつながりを持つ事でパートナーシップを構築し、新たなビジネスチャンスへと繋がるきっかけになった」といった企業側の声が寄せられています。

制度の活用にあたり注意すべき点としては、寄附した金額の9割が必ず控除されるわけではないという事です。個人でふるさと納税をする時には、ご自身の税額控除の限度額をある程度把握した上で行っている人がほとんどだと思いますが、企業版にも同じことが言えます。それぞれの税目には控除上限が存在し、それを超える寄附については税額軽減効果を得られません。そのため、事業年度が終了する前の段階において、ある程度の税額予想を行っておく必要があります。

そのまま100万円を法人税等として納税してしまうくらいであれば、実質10万円ほどの納税負担で、地方創生に貢献しつつ、会社の将来の成長につながるかもしれない地方との接点を持つための広告宣伝費だと思って、この制度を賢く活用するという選択肢を持ってはいかがでしょうか。

(齋藤 勝)

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