経営環境が目まぐるしく変化する中、自社の業績を向上させるための道しるべとして「経営計画」の重要性が高まっています。しかし、「計画を作る時間がとれない」「何から手をつければいいかわからない」と悩まれる経営者の方も多いのではないでしょうか。
今回は、他の中小企業がどれくらい経営計画を活用し、どのような効果を上げているのかを2026年版の中小企業白書から紹介します。
■ 国が推奨する「経営計画」とは?
2026年版中小企業白書では、全国の中小企業12,215社を対象とした帝国データバンクの調査結果が分析されています。 同白書の中で「経営計画」は、「自社が現状から将来のあるべき姿(実現したい未来)に到達するための計画」と定義されています。ベースとなる前年の白書では、ただの目標ではなく「当面の収支計画やアクションプラン、資金繰り計画などについて策定したもの」と明記されています。
■ 経営計画を作成している中小企業は半数以下
調査によると、経営計画を「策定している」企業は全体の44.4%にとどまっています。 経営計画を策定している企業は、策定していない企業と比べて付加価値額(稼ぐ力)が増加しやすい傾向にあることが示されています。
【経営計画の策定状況】
策定している:44.4%
策定していないが、今後策定する意向がある:33.6%
策定しておらず、今後も策定する意向はない:22.0%
■ 作成した計画は「社内への浸透」がカギ
経営計画は社長の頭の中にあるだけでは意味がありません。目標に向かってどうアクションしていくかを社内で共有することが重要です。計画を現場担当者や管理職まで広く浸透させている企業ほど、付加価値額が増加しているというデータも示されています。
【経営計画の社内浸透度】
現場担当者まで:32.4%
管理職まで:43.3%
役員まで:17.5%
経営者のみ:6.8%
■ 最も大切なのは作成後の「アクションと見直し」
作成した計画をもとに実践し、定期的に振り返る仕組みが不可欠です。進捗管理や評価を行い、必要に応じた見直しをしっかり行っている企業ほど、業績向上につながっています。
【経営計画の進捗管理・評価、見直しの実施状況】
計画の進捗管理・評価と計画の見直しを行っている:79.3%
計画の進捗管理・評価のみ行っている:12.8%
どちらも行っていない:8.0%
経営計画は、作成することが目的ではありません。まだ作成していない場合は策定の第一歩を、すでに作成している場合は社内浸透や定期的なアクションの振り返りができているかを見直してみてはいかがでしょうか。
(水田 裕之)



