2026年1月、世界経済フォーラム(ダボス会議)で注目を集めたセッション「The Day After AGI(AGIの翌日)」では、Google DeepMindのCEOデミス・ハサビス氏とAnthropicのCEOダリオ・アモデイ氏が、AIの未来と社会への影響を語り合いました。本号ではそのポイントを経営の視点からご紹介します。
◆AGI実現のタイムライン
アモデイ氏は「2026~2027年までに多くの分野でノーベル賞受賞者レベルの能力を持つAIモデルが実現する」と予測しており、さらに1~2年で人間を超えるとも述べています。一方、ハサビス氏は「2020年代末までに論理的思考能力を超えるシステムが実現する可能性は50%」との見解を示しました。
◆「自己改善ループ」とは
AIがAI研究・コーディングを支援し、次世代モデルを自ら開発・改善する仕組みです。これが実現すれば、モデルの進化スピードが指数関数的に加速するとされています。
ただし実現には、チップの供給・訓練データ・ハードウェア制約など複数のハードルがあり、両氏も慎重な見方を示しています。
◆労働市場への影響
・初級ホワイトカラー職の半分が1~5年以内に代替される可能性(アモデイ氏)
・ジュニア~中級レベルの突然の失業者増加が懸念される
・知識労働・場外労働(テレワークなど)への影響は指数関数的に拡大中
・「ポスト希少性」時代に、人間の「生きる意味」をどう見出すかという哲学的問いも浮上している
◆AIの進化ステップ
| 段階 | 概要 | 時期の目安 |
| 特化型AI(生成AI) | 画像認識・翻訳・音声など特定タスク | 現在 |
| 汎用AI(AGI) | 人間と同等以上の幅広い知的作業 | 2026~2027年? |
| 人工超知能(ASI) | あらゆる分野で人間を超えるAI | 自己改善ループの先に |
◆経営者が今から備えるべきこと
AIの進化はもはや「他人事」ではありません。業務効率化・競争力強化の観点から、早めの対応が求められています。
・見積・請求・契約書作成などの事務作業がAIで大幅に効率化
・営業・マーケティングでのAI活用で少人数でも大きな成果が可能に
・採用・人材育成においてもAIによる補助が普及し始めている
・一方でサイバーセキュリティやAI利用のルール整備が新たな経営課題に
・AIを活用できる企業とそうでない企業の間で、生産性格差が拡大する見通し
定型的な作業はAIに任せ、経営判断や顧客への提案など人間にしかできない仕事に集中できる体制を今のうちから整えていきましょう。
税理士 久保 康高



