高市政権による税制改革および来年度の税制改正に関する主な方針・内容は以下の通りです。
◆主な税制方針・改正項目
・食料品の消費税減税:2027年4月から2年間、食料品の消費税率を8%から1%に引き下げ、1%分を所得連動で給付して実質ゼロにする方針を表明。
・「年収の壁」と基礎控除の見直し:所得税の基礎控除引き上げ(給与年収665万円以下で104万円など)により、所得税がかからない水準を実質178万円とする「178万円の壁」に対応。
・富裕層課税の強化:富裕層ミニマム税の対象所得を30億円から6億円に引き下げ、「1億円の壁」の是正を図る。
・投資・資産形成支援:NISAの利用可能年齢の拡大や、暗号資産の分離課税の導入。
◆「強い経済」へ企業の成長促進へ各省庁の要望
8月末に締め切られた各省庁の令和9年度税制改正要望は、高市政権が目指す「強い経済」の実現のため企業の成長や投資を促す税制の新設・拡充に措置が目立った。
〈経済産業省〉
企業に事業再編や成長投資を促す税制の新設を要望。
・一定期間内に事業の売却と買収を行う場合、買収後に設備投資などを行えば、売却益への法人課税を繰り延べられるようにする。
・中小企業の「稼ぐ力」の強化に向け、贈与税・相続税を減免する事業承継税制を抜本的に見直し、設備投資などを促す。
・賃上げをした企業の法人税を軽減する「賃上げ促進税制」は、中小企業の支援強化を念頭に、従業員一人当たりの平均給与が一定程度増えた企業を対象とするよう要件を改める。
〈厚生労働省、こども家庭庁〉
ベビーシッターや家事支援サービスの利用者を対象とした優遇税制の新設を要求した。かかった費用に応じて納税額から一定額を引く税額控除や、課税所得を減額する所得控除を想定する。
〈財務省、金融庁〉
詳細を明示しない「事項要求」として、個人向け国債に関する税制優遇を求めた。インフレ懸念などで国債が売られて長期金利が急騰する中、受け皿を広げて安定的な発行につなげる。
〈国土交通省〉
新築マンションの価格高騰を背景に、投機的な取引を抑制する税制措置を要望。
税理士 廣島 清量



