昨今の物価高騰や賃上げの流れを受け、令和8年度税制改正において、従業員の負担軽減を目的とした所得税の非課税枠が拡大されました。
これらは従業員の方々の「実質的な手取り額」を増やす有効な手段となります。規定の見直しや福利厚生の充実に活用することができます。
- 食事補助(昼食代等)の非課税枠が「7,500円」に引き上げられました。
・改正内容: 1か月あたりの非課税限度額が 3,500円 → 7,500円(税抜) へ拡充。
・活用条件: 従業員が食事代の50%以上を負担し、会社負担が月7,500円以下であること。
- 深夜勤務者の「夜食代」金銭支給も上限が引き上げられました。
・改正内容: 1回あたりの非課税限度額が 300円 → 650円(税抜) へ拡充。
・対象: 深夜(午後10時〜翌朝5時)に勤務する従業員への夜食費用。
- 通勤用「駐車場代」の非課税化(上限:月5,000円)
これまで会社が負担する駐車場代は「給与(課税)」扱いが原則でしたが、新たに非課税枠が加算されます。
・改正内容: マイカー通勤等の距離別非課税限度額に、最大5,000円の駐車場料金を加算可能。
・条件: 勤務先近くの駐車場を契約・利用し、その費用を負担していること。
・メリット: 地方や車通勤の多い職場において、所得税・社保負担を抑えた実質的な賃上げが可能です。
※ 賃貸借契約をしている駐車場の料金を会社が負担する場合の改正になります。会社所有している駐車場を無償または低額で利用させる場合、通常課税する必要はありません。
- マイカー通勤「距離別限度額」の引き上げ
ガソリン価格の高騰に基づき、通勤距離に応じた非課税限度額も改訂されています。
(例:片道15km〜25kmの場合:月額12,900円 → 13,500円 など)
※ この引き上げは令和8年度税制改正での改正ではなく、令和7年11月20日に施行され、令和7年4月1日に遡って適用されています。
今回の改正、「食事補助7,500円」や「駐車場代5,000円」の非課税枠を活用するためには、就業規則や旅費・通勤手当規定を改訂する必要があります
〇その他の物価高騰への対応による改正
令和8年度税制改正において少額減価償却資産の特例基準が「30万円未満」から「40万円未満」に引き上げられました。(年間合計取得価額の上限300万円は変更ありません)
(水田 裕之)



