1.制度の趣旨
所有不動産記録証明制度は、特定の個人が日本国内で所有している不動産を一覧形式で確認できる証明制度です。相続手続きでは、被相続人が所有していた不動産をすべて把握することが重要ですが、従来は各市区町村の固定資産台帳や登記事項証明書を個別に調査する必要があり、多くの時間と手間がかかっていました。本制度はこの課題を解消し、不動産の把握を容易にすることを目的として創設されました。
2.制度の概要
法務局が管理する登記データをもとに、特定の人が所有者として登記されている不動産を一覧化した「所有不動産記録証明書」を発行する制度です。これにより、全国の登記された不動産を一括して確認することが可能となります。
3.記載される主な事項
・不動産の所在 ・地番 ・家屋番号 ・不動産の種類(土地・建物など)
★なお、固定資産税評価額や課税標準額などの税務情報は記載されません。
4.利用場面
本制度は特に相続手続きなどにおいて有用です。例えば、被相続人が過去に取得した遠隔地の不動産、相続人が存在を知らない土地、共有持ち分として登記されている不動産の確認に役立ちます。相続税申告や、遺産分割協議の前提資料としても利用することができます。
5.請求できる者
・本人 ・相続人 ・遺言執行者 ・法定代理人 ・委任による代理人も委任状等必要書類があれば可能
★相続人が請求する場合は、被相続人との関係を確認できる戸籍などの提出が必要となります。また本人確認には、マイナンバーカードや運転免許証・又は、請求者の印鑑証明等が必要です。
6.制度利用上の注意点
・登記されている不動産のみ対象(未登記建物などは表示されません)
・名義が異なる場合は表示されません(旧姓、法人名義等)
・管轄を含む全法務局で受け付けます。検索条件1件につき1600円、交付までに約2週間位かかります。
この制度は法務省が進めている不動産登記制度のデジタル化の一環で、
2026年2月から開始されています
相続診断士 平林 明子



