国税庁は5月30日に令和6年分所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況について公表しました。(令和7年3月末日までに提出された申告書の情報)
◯申告所得税及び復興特別所得税
①確定申告書の申告人員の状況及び納税人員の状況
所得税等の確定申告書の申告人員は2,339万人(対前年比+0.6%)と、平成27年分以降ほぼ横ばいで推移しています。
確定申告書の申告人員のうち、申告納税額がある方(納税人員)は 517 万人(同▲ 22.6%)で、その所得金額は51兆1,604億円(同+3.2%)、申告納税額は4兆3,989億円(同+8.6%)となっており、前年分と比較すると、人員は減少し、所得金額及び申告納税額は増加しました。
②土地等の譲渡所得の申告状況
確定申告書の申告人員のうち、土地等の譲渡所得(総合譲渡を含む。)の申告人員は58 万人(対前年比+4.3%)です。そのうち、所得金額がある方(有所得人員)は39万人(同+3.4%)と、その所得金額は6兆4,993億円(同+6.8%)となっており、前年分と比較すると、いずれも増加しました。
③株式等の譲渡所得の申告状況
確定申告書の申告人員のうち、株式等の譲渡所得の申告人員は 118万人(対前年比+2.3%)です。そのうち、所得金額がある方(有所得人員)は74万人(同+13.4%)と、その所得金額は8兆854億円(同+42.7%)となっており、前年分と比較すると、いずれも増加しました。
◯個人事業者の消費税
令和5年10月からインボイス制度が導入され、制度導入後2回目となる令和6年分の個人事業者の消費税の確定申告においては、申告件数は212万件(対前年比+7.5%)と、前年分から15万件増加しました。 また、申告納税額についても、8,004億円(同+16.8%)となっており、前年分から増加しました。
また、インボイス導入前の令和4年分は申告件数106万件、申告納税額6277億円であり、令和4年分と比較すると申告件数106万件増(+100%)と、申告納税額1727億円増(+27.5%)となっています。
◯贈与税
①暦年課税
暦年課税を適用した申告人員は40万人(対前年比▲14.0%)と、その申告納税額は3,274 億円(同+9.7%)となっており、前年分と比較すると、申告人員は減少し、申告納税額は増加しました。
②相続時精算課税
相続時精算課税を適用した申告人員は8万人(同+59.2%)と、その申告納税額は661億円(同+17.5%)となっており、前年分と比較すると、いずれも増加しました。
(水田 裕之)