今年も残すところ1ヶ月ほどとなり、毎年恒例の年末調整手続きの時期となりました。今年は定額減税が適用される影響で、申告書様式の一部変更など、記載については十分な注意が必要です。今回は、年末調整手続きを正しく計算するために必ず確認していただきたい項目についてご案内します。
〇「定額減税に関する記載」
扶養控除等申告書には、「定額減税」を適用するための専用欄が追加されています。この欄に、申告者自身および対象となる扶養親族の情報を正確に記入する必要があります。
・申告者本人、同一生計配偶者、扶養親族についての氏名、生年月日、個人番号
・所得要件があるため、各対象者の「合計所得金額」が48万円以下(給与所得のみの場合103万円以下)であることを確認する必要があります。
・該当する場合には、「定額減税適用対象」にチェックします。
〇「定額減税額の計算」
・対象者1人当たり3万円(住民税1万円を除く)で計算されます。
・複数人対象者がいる場合、対象人数を正確に把握してください。ただし、納税者本人の所得額に応じて減額または適用外になる場合もあるため、記載内容を慎重に確認してください。
〇「その他 注意点」
控除対象となる扶養親族の範囲
・同一生計配偶者や扶養親族の要件を満たしていない場合、定額減税の対象外となります。
・高齢者控除対象親族(70歳以上の親族など)や、特定扶養親族の情報も記載漏れに注意。
配偶者控除と定額減税を併用する場合、配偶者の合計所得が重要です。誤りがないように必ず確認してください。
マイナンバーの導入以降、国は個人所得の把握が容易になり、配偶者控除や扶養控除の是正連絡が増えています。家族であっても収入を正確に把握できていないケースも多いため、今回の定額減税の適用誤りについて後になって税務署から指摘されることの無いよう、きちんと配偶者や扶養親族の収入を確認したうえで書類への記載をお願いします。
年末調整の書類は各従業員へ配布後、最後に社長自身が取りまとめていることもあるかと思います。その際に、記載内容に不備などがあると余計な事務負担が発生してしまいますので、全従業員へ記載漏れや不備のない様に、周知徹底をお願いします。
(齋藤 勝)