江東区亀戸の税理士|ひろしま会計グループ

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ひろしま会計グループ

M&Aにおけるシナジー効果(相乗効果)とは?

M&Aのゴールは、シナジー効果(相乗効果)が発揮されて業績が改善・向上し、スタッフの雇用安定が図られることです。成功するM&Aは、「シナジーに始まりシナジーに終わる」と言われております。買い手のシナジーへの思いが強ければ強いほど案件は崩れません。

シナジー効果とは、2社が統合することにより「1+1」以上の価値(プラスα)が生じる状態で2社それぞれが単独で活動した時以上の効果が生まれることを指します。成功するシナジー効果の例としては、中小企業の場合、よく言われるコストの削減に繋がるという側面よりは販路の拡大(得意先の拡大・顧客獲得)・クロスセルやアップセル・取扱商品やサービスの拡充、ブランド力の向上による売上増加を狙った事例や時間の節約・専門人材の確保を狙った事例が多くなっております。

〇販路の拡大

業種の垣根を越えて他社と統合・提携する場合などは、統合・提携する企業の得意先にアプローチできることが大きなメリットです。アップセルにより上位の商材・オプションを購買してもらって顧客単価を上げるのに対し、クロスセルにより関連商材も購買してもらい顧客単価の向上を図ることもでき、新規顧客開拓が困難な市場においてはとても有効な営業手法となり得ます。

〇時間の節約と専門人材の確保

新規事業を立ち上げる時(第2の柱を作りたい時)や企業の抱える問題点を解決したい時は、専門的な知識と経験を持った人材やノウハウが必要なことが少なくありません。条件に合う人材をすぐに採用できるとは限りませんし、自社で人材育成するには時間とコストがかかります。求める人材やノウハウを持った企業と統合・提携すれば事業に着手するまでの時間とコストを大幅に節約可能というメリットがあります。

アンゾフの成長マトリックスやPPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)はM&Aの目的・戦略を検討する段階でのシナジー分析に適しています。アンゾフの成長マトリックスは横軸に「既存市場・顧客を狙うか、新市場・顧客を狙うか」、縦軸に「既存商品サービス・技術で攻めるか、新商品・サービス・技術で攻めるか」を表した4つの成長戦略をパターン化したフレームワークです。

  既存市場・顧客 新規市場・顧客
新商品・新技術 新商品開拓戦略 多角化戦略
既存商品・既存技術 市場浸透戦略 新市場開拓戦略

PPMは、「市長の成長率」「自社の市場シェア」の軸から自社の成長戦略を考えるフレームワークです。

  市場シェア:高 市場シェア:低
市場成長率:高 花形 問題児
市場成長率:低 金のなる木 負け犬

問題児は花形に成長させる必要があるほか、花形は市場シェアを維持するために積極的に投資をしていく必要があります。本業が負け犬である場合は、切り離し、撤退、売却を検討することになります。資金源となる「金のなる木」を確保しつつ、「金のなる木」で生み出した資金を将来の収益源となる「問題児」「花形」へ投入していくのが理想です。

今一度、これらフレームワークを利用して自社の成長戦略を整理しM&Aを実施すると仮定した場合の成功の肝であるシナジー効果について考え直してみてはいかがでしょうか。

税理士 久保 康高

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