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高層マンション(タワーマンション)の評価方法見直しに関して

つい先日のある朝、一つのニュース番組が取り上げていました。首都圏の一都三県における7月の新築マンションの平均価格が9,940万円だというのです。出かける準備をしながら上の空で音声だけを聞いていた私はそのニュースに耳を傾けました。結論的には東京都内のある地域の新築マンションが、平均を大きく押し上げていることが原因であるようですが、それでも昨年の同月と比較すると50%以上の上昇幅だそうです。こういった高額なマンションは得てして立地が良く、購入後も価値が下がりにくいという特徴があります。今でも専門家や有識者の間で議論が続いているタワーマンション節税なるものも、価値の下がりにくい高層マンションの税務上の評価額と、実際の価値とのズレを巧みに利用しています。

今年の6月22日に開催された、第3回有識者会議資料の見直し案の要旨を参考にしながら、タワマン節税のなにが問題なのか?解説していきます。

なぜタワーマンションが相続税等の節税になるのか?

理由1:敷地の持ち分が小さくなる

マンションは高層になればなるほど、同じ広さの敷地であっても、より多くの戸数を確保することが可能です。マンション敷地の評価は、国税庁が毎年発表する路線価(1㎡あたりの価格)に敷地全体の面積を乗じ、その上で持ち分に応じた部分が評価額となります。戸数が多ければ多いほど持ち分を計算する際の分母が大きくなるため、持ち分割合が小さくなり評価額が下がります。

理由2:階層の違いは評価には一切考慮されない

通常、高層マンションの価格は、最上階に近いほど価格が高くなる傾向にあります。見晴らしの良さや、防犯上のメリットなどを理由として人気が高く、売却する際にも高く売れる可能性が高くなっています。しかし、財産の評価上はそういった要素は一切考慮せず、どの階であっても同じ条件で評価されるため、実際の価値と乖離するケースが多々あるようです。

1億円の現金の財産価値はそのまま1億円ですが、そのお金でタワマンを購入しておけばそのマンションの評価額はもっと低くなり、相続税等の節約になるわけです。まして人気の高い高層階の部屋であれば、1億円以上の価格で売却できる可能性もあります。そういったスキームによる過度な節税を防ぐことを目的とし、現在では見直しに向けた協議が今まさに行われています。

有識者会議資料には、国税庁が実施したサンプル調査のデータ(H25~H30)が参考資料として使われており、そのデータによるとマンションの評価額と市場価格とが2倍以上乖離している全国平均の割合は全棟数の65%となっており、一戸建ての約20%と比べると3倍以上高くなっています。この現状に対する見直し案として、現行の評価額に評価乖離率等を乗じることで市場価値に近づける案が浮上しているようです。評価乖離率の定義はここでは細かくは記載しませんが、要するに現在の評価方法に加え、マンション一室の「マンションの築年数」・「マンションの総階数」・「部屋の所在階」・「マンションの敷地権の面積(狭小度)」を総合的に考慮し、評価に反映するという方向性で話が進んでいます。

(齋藤 勝)

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