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税込経理と税抜経理が当期純利益に影響するケース

以前からお伝えしている通り、令和5年10月から始まるインボイス制度に伴い、これまで免税事業者として消費税を納めていなかった法人や個人事業主についても、取引先との取引事情などにより課税事業者を選択しなければならないケースが出てくると予想されます。すでにご存じの通り、会計処理の方法には「税込経理」と「税抜経理」の2つのパターンがあり、いずれかの処理を任意で選択する事ができます。もちろん、そのどちらを選択しても、法人税や所得税が課税される元となる利益の計算に影響を与えることはなくいずれの方法によっても同じになります。もし、処理の違いにより利益が変わるような事があれば、誰しもが有利な方を選ぶに決まっています。基本的な考え方は上記の通りなのですが、実は短期的に考えた場合においては、この二つの会計処理による違いが利益に影響を及ぼすケースがあります。

それは多額の固定資産等を取得した場合などです。一つ例を以下に挙げてみます。                       

【税込経理】

◆固定資産の取得がない一般的なケース

【税抜経理】
売上11,000(内税1,000) 売上10,000仮受消費税1,000
経費 5,500  (内税500) 経費5,000仮払消費税500
固定資産     0 固定資産    0
消費税 500   (内税1,000-500)  
利益5,000  (11,000-5,500-500) 利益5,000(仮受10,000-仮払5,000)

消費税納税額 1,000 - 500 = 500はどちらも同じ

◆固定資産の取得があるケース

売上11,000 (内税1,000) 売上10,000仮受消費税1,000
経費5,500  (内税500) 経費5,000 仮払消費税 500
固定資産3,300  (内税300) 固定資産3,000仮払消費税300
消費税200(内税1,000-500-300) ※  
利益5,300 (11,000-5,500-200) 利益5,000 (10,000-5,000)

消費税納税額 1,000 - 500 - 300 = 200はどちらも同じ

※税込経理の場合、消費税納税額は経費として計上される

例の通り、大きな固定資産等の取得がない一般的なケースであれば、税込み・税抜のいずれかによっても、最終的な利益(今回は5,000)に違いは生じません。一方で、固定資産の取得がある様なケースだと、固定資産に含まれる消費税分相当の利益への差額が発生しており、税抜経理を選択した方が、最終利益は少なくなる事がわかります。ただし、この違いは冒頭に記述した通り、短期的に見た場合の差になります。固定資産は耐用年数にわたって減価償却費という経費になります。税込経理によった場合の固定資産は3,300となり、税抜経理より300多いため、その分だけ将来的な減価償却費が増える事となり、最終的には両者のズレは解消するのです。

(斎藤 勝)

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