商売のヒント!
365日が楽しくてたまらない!『商売のヒント』
- 2010年4月の商売のヒント
- ひたむきな姿勢が顧客を呼び込む理想的な商売
商売で成功するためには、誰もやっていないことを始めるか、その業界で際立つかのどちらかです。すでに競合他社がいる場合、どうしたら業界内で際立つかを考えるわけですが、多くの経営者はそこを難しく考え過ぎているようです。
32歳で独立を決めたその美容師は、彼を手放したくないオーナーの妨害で顧客に一切知らせることなく店を去るハメになりました。懐事情は店舗作りと仕入れだけで精一杯、チラシなど宣伝をする余裕はなし。逆風が吹きまくる中でオープンを迎えたのが昨年の7月でした。美容室もライバルの多い業界です。ところが、今日まで「ゼロ戦」の日は一度もありません。それどころか毎日コンスタントに3人の予約が入り続け、売上は最低でも1日5万円。一人でやっていることを考えれば見事な客単価の高さです。また、顧客数の拡大は口コミのみ、リピート率はほぼ100%、来店頻度は約2ヶ月に1回。まさに理想的な商売です。へんぴな田舎町にある7坪ほどの美容室で理想的な商売が成り立っているのは、次の4つの要素が彼の店を際立たせ、ひいては着実に「オンリーワン商売」を実現しているからでしょう。
(1)「お客様の髪をきれいにすることに命をかけている」と断言する志の高さと行動力
(2)材料はすべて最高品質にこだわり、常により良いものを探すアンテナを張り、休みの日は材料の勉強会に出かけ、髪をきれいにするための研究を重ねる情熱
(3)高品質ゆえに材料費がかさんでも、それを料金に反映させない心意気
(4)ハンドマッサージや肩もみなど、自分の労力で無償奉仕できることをまったく惜しまないサービス精神
しかし、これらは商売として特別なことではなく、また、難しいものでもありません。
彼のひたむきな姿勢が、髪に対する意識の高い顧客を育て、顧客が顧客を呼び、結果として利益が生まれる。「商売と利益」は非常にシンプルな関係で成り立っていることを、今一度肝に銘じたくなるようなお話です。
- 2010年3月の商売のヒント
- できない理由を「探す」人、できない理由を「考える」人
以前、某テレビ番組で、俳優の石田純一さんが放った言葉が反響を呼びました。
「世の中には2種類の人間がいるんです。できない理由を探す人と、できる方法を探す人」石田さんの言う「できない理由」とは「言い訳」のことでしょう。やろうとする前に言い訳を考えて、諦めるための大義名分にする人はたしかにいます。この手の人は、何かにつけ他人のせいにするのが上手で、第三者には「できない理由」というよりも「やらない理由」を自らアピールしているように映ってしまう残念な人たちです。一方、「できない理由」を考えて「できる会社」を目指そうと提言するのが、交換レンズメーカー・タムロンの社長、小野守男氏です。
小野社長が考える「できない理由」は次の5つです。
(1)今すぐにはできない
(2)今のやり方ではできない
(3)今の工数ではできない
(4)今の資金ではできない
(5)今の人ではできない
今すぐできない。つまりタイミングの問題であれば、いつならできるのかを考える。今のやり方がまずいなら、ほかの方法を考える。工数も資金も人もしかり。会社の課題を「できない理由」のどれかに当てはめて、ひとつでもいいから解決していくことで着実に「できる会社」を目指せるというのが、小野社長の主張です。
できない理由を「探す」か「考える」か。この差は、それ以降の行動に表れます。探す人は見つけることが目的なので、見つけた時点で「だからできないんだ」と納得して終わり。考える人は結論を導き出すことが目的なので、「できない」を「できる」に変える方法を必死に模索します。
要するに、できない理由を考えることは、今できることを考える前向きで積極的な行動に等しいのです。この不況下でも独創性を発揮して商売の窮地を脱した会社は、必死に考えたのだろうと思います
- 2010年2月の商売のヒント
- その「ひと言」がピンチを救う
商談成立に結びついたひと言。顧客の信頼を得たひと言。前回の失敗を挽回できたひと言...。とっさのひと言がピンチをチャンスに変えることがあります。
商売上手な人を観察していると、効果的な「ひと言」をタイミング良く相手に投げかけているようです。そんな「ひと言」のバリエーションをいくつか用意しておくと、商売のシーンだけでなく人間関係全般にも役立つものです。
たとえば「あの人がほめていましたよ」。あからさまなお世辞を嫌う人はいても、間接的に聞かされる自分の良い評判に悪い気がする人はいません。第三者を引き合いに出してほめると、直接ほめるより相手の心に響くことが多く、しかも相手の自尊心が満たされます。このひと言のポイントは誰を引き合いに出すか。顧客が、「あの人に認められたら嬉しい」と思うような人であれば、気を良くした顧客との商談は和やかに、かつスムーズに進むことでしょう。
とはいえ作り話は御法度なので、「あの方にも好評なんです」というような間接的に自社の商品やサービスを持ち上げる変化球も覚えておきたいものです。一見ネガティブな表現であっても、使い方次第ではかえって顧客との関係が良くなるひと言が「最悪の場合」。「最悪の場合は○○○ですが、□□□のような対応が可能です」と提案すれば、リスク回避を兼ねた対策案の提言になると同時に、「本音で商売できる相手」という信頼を得られることもあります。ただし、対策案のない「最悪の場合」は、あなたにとってまさに「最悪の場合」になることもあるのでご注意ください。
最後に、大事な場面で「大丈夫だと思います」では相手の背中は絶対に押せません。商談が佳境に入ったら、「ぜひ私にお任せください!」の力強いひと言で顧客の不安を取り除き、自信を持って商談成立へとコマを進めましょう。
結果、「やっぱりこの会社に任せて良かった」となれば、仕事の成果と自分の決断が正しかったことへの満足感で、相手はあなたを二重に評価するでしょう。つまりは、胸を張って「ぜひ私にお任せください!」と言える堅実な商売こそがピンチを救うということですね。
- 2010年1月の商売のヒント
- 誇り ~懐の余裕よりも心の余裕~
昨年の11月、トヨタがF1からの撤退を表明した翌日に、ヤンキースの松井選手がMVPを受賞しました。「明暗を分けた」という見方もできますが、記者会見で見せたトヨタの山科専務の男泣きと松井選手のその涙には、ひとつの共通点があった気がします。
それは「誇り」です。世界の舞台から立ち去る者と「世界の」という名誉を与えられた者、そのどちらからも会社や仕事に対する揺るぎない誇りを感じました。なくてもやっていけるけれど、なくしてはいけないもの。それが「誇り」だろうと思います。自分のやっていることに「誇り」が持てなくなったとき、そこで心が折れてしまいます。
ある有名企業で働く中堅社員が、最近社内でツバを吐くことが多くなったと話していました。きっかけは、コスト削減の一環として休憩室からイスが撤去されたことだそうです。経営者は「たかがイスくらい」と思っているかもしれませんが、社員の見解は違います。立ったままの休憩に文句があるというよりも、経営者のゆとりのない発想が社員にダメージを与えました。売上が思うように伸びなければ、コスト削減に励むのは当然としても、「自分の会社は休憩室にイスを置く余裕もないのか」と思ったとき、「そんな会社」で働いていることに社員の心は折れてしまったのでしょう。会社や仕事に誇りが持てなくなったから、無意識のうちに社内にツバを吐いてしまったのです。
懐(ふところ)の余裕よりも、心の余裕を失ったときのダメージのほうが大きいことは、賢明な経営者であればよくご存じのことだと思います。明けて2010年。新聞やテレビでは不況の余波はまだ続いていると報じています。思うように社員の懐に余裕を与えることは難しくとも、せめて心の余裕は奪わないようにしなくてはなりません。
これは経営者自身にも言えることです。今年も心が折れることなく「倒れるなら前に!」の気概でいきたいものです。明るい日差しが真正面から差し込んで来ます。誇りを持ち、心さえ折れなければ勝ったも同然です。















