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商売のヒント!

365日が楽しくてたまらない!『商売のヒント』

2012年2月の商売のヒント
「それ」がものを言う

いきなりですが質問です。

「1億円・良い評判・権力」この中でいちばん「ものを言う」のはどれでしょう。

ある大学で、学生たちに一人の教授の力量を評価してもらう実験が行われました。学生を2つのグループに分け、Aグループには教授の授業風景を2秒見ただけで評価してもらい、Bグループは1学期の間ずっと教授の授業を受け、それから評価してもらいました。果たしてその結果は、グループAとBで評価がほとんど変わらなかったそうです。

状況や人物を瞬時に判断した場合も、半年以上の時間をかけて判断した場合も、そのもの自体への評価はほとんど変わらないとしたら、評価の正確さは時間に比例しないことになります。

もう1つ、カリフォルニア工科大学での実験です。手の込んだ方法で同じワインを異なる値段で飲ませたところ、被験者は「高い方が美味しい」と判断したそうです。しかもその際、脳の価値判断にかかわる眼窩前頭皮質(がんかぜんとうひしつ)という部分がより活性化する傾向にあったのだとか。

これはワインに限った話ではないでしょう。高いから美味しい。高いから効果がある。高いから優越感に浸る。なんとも単純な発想ですが、良いラベルが貼ってあれば良く見えるし、ラベルがお粗末なら中身もお粗末に思われるという実によくある話です。また、一度下された評価は時間が経ってもほぼそのままで、しかもその評価は「中身」より「ラベル」の方がものを言うのです。

この指摘は商売においてかなり重要なことです。要するに、「できるだけ良い評価をもらえるようなラベルを自分自身に貼っておきましょう」ということで、裏を返せば、多くの人は悲しいかなその程度の評価力しか持ち合わせていないともいえます。だからこそブランディングは大事で、ブランド商売は強固なのでしょう。お金より権力より良い評判。商売の成功を願うなら、くれぐれも評判を落としてはなりませんね。 

2012年1月の商売のヒント
「商売の量質転化」は、101段目に訪れる!

発明王のエジソンは、「私が成功した秘訣はたった一つしかない。それは、成功するまでやり続けたからである」と言ったそうです。松下幸之助も似たような名言を遺しています。今はできないことも、できるまでやればできるようになります。

しかし、やり続けて成功する人はほんの一握りです。多くの人が途中で挫折していくのは「努力」と「成果」の相関関係を誤解しているからではないでしょうか。努力した分だけ成果が出るのは確かでも、努力と成果は正比例しません。

新しいことを始めたとき、スタートからしばらくはなかなか成果が出ないのが普通です。この「なかなか成果が出ない期間」は想像以上に長く、ところがある段階を超えると急激に成果が現れて、その後は少しの努力で一気に成果が上がっていくというのが脳のシステムだそうです。

これを「量質転化」と言いますが、このシステムを知らない人は「こんなに努力しているのにちっとも成果が出ない」と嘆いて、成果が出るのを待てずにやめてしまうのです。パフォーマンスは基本的に努力量と比例しないものです。ですから「使えない」段階のほうがはるかに長いわけで、量質転化が起こって無意識にできるようになったとき、はじめて「使える」段階になることをちゃんと覚えておきたいものです。

商売をしていれば「なかなか成果が出ない期間」もあります。そこを乗り越えるには根性論よりも「スモールステップ」という工夫の方が実践的でしょう。確実な一歩を刻んでいくこと。これがスモールステップであり、その第一歩は「今できることをする」です。先を急ぐあまり2段飛ばしで一気に階段を駆け上がってみても、20段目あたりで足腰にガタがきてへたりこんでしまっては本末転倒というものです。

上手くいかない時期はじっと我慢して、スモールステップで目先の小さな目標をこなし、「できること」を増やしながら100段の階段を確実に上ったとき、101段目で「商売の量質転化」が訪れるのです。 

2011年12月の商売のヒント
「こだわり」に「傲慢」が潜みはじめていませんか?

子どもの頃、「台風一過」を「台風一家」だと思い込み「世の中には台風のようなハチャメチャな家族がいるものだ」と信じて疑わなかったという笑い話を友人から聞いたことがあります。また、美しい人は光り輝くものだから、「美人薄幸」を「美人発光」と勘違いしていた人もいました。人には、何かと自分の知っていることに当てはめようとする傾向がありますが、これは「自分の経験こそ正しい」という勘違いなのかもしれません。

「自分にこだわる人ほどファンがつかない」。これは、ある有名芸能人の言葉です。「こだわり」という言葉の中には「信念」を感じさせる一方で、「傲慢」や「頑固」という意味合いが潜んでいる場合もあります。

口では「変わりたい」「成長したい」と言いながらも、実は自分の考えや経験にしがみついていることが多々あります。だからこそ「自分」にこだわってしまうのではないでしょうか。「自分」にこだわる人は、自分が変わらずに人や周囲を変えようとする頑固者なのかもしれません。

「こだわり」という響きのいい言葉をまとっても、その傲慢さは人に見抜かれてしまいます。傲慢な商売で成功したという話は聞いたことがありません。一時は稼いだとしても、つかの間のあぶく銭で終わってしまいます。

商売が上手くいっている人は「信念」こそ大事にしても、下手なこだわり方はしません。まず、人を大事にして変化を恐れずに自分を高めようとします。「どこまで自分を変えていけるか」、それは商売におけるひとつのチャレンジだからです。

長年やってきた商売の経験は、自分だけのデータベースとして大いに活用するべきです。しかし、それだけが正しいわけではありません。自分にこだわるあまり、顧客という大切なファンを逃したくはありませんね。

一年の締めくくりとして、作家で精神科医だった斎藤茂太さんの言葉を胸に刻んでおきたいと思います。「“自分のない人”ほど、自分を主張する」「他人に花をもたせよう。自分に花の香りが残る」 

2011年11月の商売のヒント
「美味しい鍋」は社長のさじ加減ひとつ

鍋の美味しい季節になりました。鍋と聞いて俄然張り切るのが「鍋奉行」です。食材、ダシの取り方、具を入れる順番や味付け、火加減、食べるタイミングまで世話を焼き、すべてにひと言モノ申さないと気がすまない性質(タチ)の人を誰が「鍋奉行」と名付けたのか知りませんが、言い得て妙なネーミングです。

「確かにいるな~。そういう人!」と笑っているあなた、鍋のない所で鍋奉行になっていませんか。口では「任せたぞ」と言いながら、結局は1から10まで指示してしまう。

社員の仕事に口を出しすぎる社長は、潜在的な鍋奉行かもしれません。経験が浅いから心配で任せてはおけない。何かあったら困るからいちいち目を光らせる。それはその通りだとして、考えてみたいのは「口の出し方」です。

人間の脳は不思議なもので、手をかけすぎるとスキルはアップしても意欲は低下するようにできているそうです。社員を事細かくチェックして世話を焼けば「美味しい鍋」になると思いきや、仕事の場合そうはいかないのです。まずは任せてみる。その一方で仕事を進めながらやり方を教えていくというさじ加減。仕切りたがりの鍋奉行にはストレスかもしれませんが、人を育てるとはそういうことでしょう。

この夏、あるお祭りで、みこしの音頭をとる人を見て外国人が「ナベブギョウ!」と叫びました。その外国人は、「先頭に立ってみんなを仕切っている人=鍋奉行」だと思ったのでしょう。鍋奉行も世界的になったものです。

みこしの音頭をとるのは社長ですが、鍋奉行になってはいけません。フランスの詩人アラゴンはこう言っています。「教えるとは希望を語ること。学ぶとは誠実を胸に刻むこと」。社員の仕事に口を出す回数を減らし、その分、熱く希望を語ってみませんか。社員に明日をイメージさせるのは社長の大事な仕事です。希望のもとに明日をイメージできる社員が増えれば、いずれ「美味しい鍋」ができることでしょう。 

2011年10月の商売のヒント
社長にしかできない仕事

ひと昔前なら「理想の社長」として、松下幸之助や本田宗一郎といった日本を牽引してきたビジネスパーソンの名前があがったでしょうが、今どきはカリスマ性のある芸能人、偉業を成し遂げたスポーツ選手、一世を風靡した「時の人」、歴史上の有名人物などが上位に名を連ねます。

2005年に東京商工会議所が新入社員に聞いた「理想の社長」アンケートでも、1位の堀江貴文(ホリエモン)以下、星野仙一、北野武、イチロー、坂本龍馬と、まさに時の人、一流のスポーツ選手、有名芸能人、歴史上の人物が見事に並びました。

この手のアンケートで注目すべきは、「誰」が選ばれたかより、なぜその人を選んだかの「理由」でしょう。堀江貴文/新しいことへの挑戦や行動力がある。先見性・創造力がある。星野仙一/強力なリーダーシップや統率力がある。人を引きつける魅力がある。北野武 /ユニークな発想・独創性がある。才能とリーダーシップがある。イチロー/努力家で向上心を持っている。有言実行。信念を持っている。坂本龍馬/行動力やリーダーシップを持つ。先見性・独創性を持っている。理由に共通するキーワードは、「挑戦」「行動力」「先見性」「リーダーシップ」「独創性」「想像力」。

つまり、強力なリーダーシップを発揮しながら常に先を読んで行動するチャレンジ精神を持った人を「理想の社長」と考えている人が多いということです。「社長の仕事とは?」の問いには、「判断と決定」「理念を語る」「戦略の立案」など様々な意見があるでしょうが、「社長にしかできないこと」こそ社長の仕事です。

なでしこジャパンの澤穂希選手は「苦しかったら私の背中を見なさい」と後輩に檄を飛ばして、どんなに苦しい場面でも自ら先頭で戦っています。その澤選手は、自分が考える「理想のサッカー選手像」の背中を見ながら走ってきたのでしょう。社長には、社長にしかできない仕事をする責任があります。今こそ、自分なりの「理想の社長像」を追いかけて行く背中を社員に見せていこうではありませんか。 

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