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外国人の年金払い戻し申請(脱退一時金)と社会保障協定について

人手不足の問題もあり、最近では中小企業においても外国人の方を雇用する会社も増えてきていると感じます。外国人の方でも日本に住所を有する方は国民年金または厚生年金に加入しなければなりません。健康保険については日本で病気・けがをしたときのために加入しておく必要性を感らじれるようですが、年金については将来日本にいるかどうかわからない、自国の年金も支払っている・・・などの理由で日本の年金制度に加入したがらない方もいると聞きます。日本の年金制度では、25年以上年金保険料の支払いをしていなければ老齢年金(原則65歳から支給される年金)は受け取ることができません。ただし日本で就労する外国人のために2つの制度が設けられています。

 

一つは日本と外国間で締結している社会保障協定です。社会保障協定が締結されている場合には、両国間の年金制度への加入期間を通算することができます。通算した期間が年金を受給するために最低限必要とされる期間以上であれば、それぞれの国の制度への加入期間に応じた年金がそれぞれの国の制度から受けられます。

また保険料の二重納付を防ぐために、相手国での就労期間が5年を超える見込みがない場合には、当該期間中は相手国の法令の適用を免除し自国の法令のみを適用し、5年を超える見込みの場合には相手国の法令のみを適用するという措置があります。

平成27年11月現在社会保障協定発効済みの国はドイツ、アメリカ、ベルギー、フランス、カナダ、オーストラリア、オランダ、チェコ、スペイン、アイルランド、ブラジル、スイス、ハンガリー、イギリス、韓国です。(※イギリス、韓国については年金加入期間の通算措置はありません。)中国、トルコ、スウェーデンとは現在政府間で交渉中です。

 

もう一つは支払った年金保険料の一部を払い戻すことができる脱退一時金という制度です。脱退一時金を受け取るには下記の要件をすべて満たし、日本に住所を有しなくなった日から2年以内に申請する必要があります。

日本国籍でないこと

国民年金または厚生年金を納めた期間が6月以上あること

年金(障害手当金を含む)を受ける権利を有したことがないこと

日本に住所を有していないこと

一時金の支給額は年金保険料を納付した期間に応じて増額していきます。ただし増額には上限があり36ヶ月(3年)以上納付期間がある場合でも36ヶ月以上は増額していきません。また、脱退一時金を受け取った場合、その該当する期間は年金の加入期間でなかったことになります。日本と年金加入期間通算の社会保障協定を締結している相手国の年金加入期間のある方については、脱退一時金を受け取ると、その期間を通算することができなくなりますので、注意が必要です。          

(石田 沙織)

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