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9月11日に可決・成立「改正派遣法」とは?

過去の2度にわたる廃案により「呪われた法案」とまで言われていた改正派遣法案が、先週9月11日、衆議院本会議にて可決成立し、30日から施行されます。改正内容のポイント以下の通りです。

 

「特定派遣廃止、届出制から 一般派遣と同じ許可制へ」 (注※)

これまで厚生労働省への届出手続きだけで開業する事が可能だった特定派遣事業が廃止され、全ての派遣会社は許可制の一般派遣事業に移行されます。許可を受けるためには、自己名義現預金が1,500万円以上、基準資産額(繰延資産・営業権を除く資産から負債を控除した額)が2,000万円以上などといった財産的要件等があるため、悪質な事業者の介入が制限され、一定の信用向上につながると期待されています。

※現在、特定労働派遣事業を行っている事業主に関しては、施行日から3年間は許可を受けずに引き続き特定派遣事業を行うことが出来る経過措置が設けられており、今後新たに許可を受けようとする小規模事業者については、事業の財産的基礎となる資産要件等について、一定の軽減が行われる見込です。(詳しい軽減内容は未公表)

 

「派遣期間規制の見直し」

これまでは研究開発や通訳といった専門分野26業種を除き、企業が派遣労働者を受け入れる期間は最長3年に限定されていました。現場ではどういった業務が専門26業種に該当するかがわかりにくいといった声がありましたが、今回の改正によりこれが廃止され、全ての業務に対して、派遣期間に次の2種類が適用される事となりました。

1・「派遣先事業所単位」の期間制限

同一の派遣先の事業所に対し、派遣できる期間は原則、3年が限度となります。

ただし、派遣先が労働組合等(組合が無い場合は労働者の過半数の代表者)からの意見を聴くといった手順を踏めば、引き続き同じ業務を派遣労働者に任せられるようになりました。

2・「派遣労働者個人単位」の期間制限

同一の派遣労働者を派遣先の事業所における同一の組織単位に対し派遣できる期間は、原則3年が限度となり、派遣労働者は3年ごとに「課」を変えなければ同じ事業所では働けなくなります。

※派遣元で無期雇用されている労働者、60歳以上の労働者などは期間制限の対象外

 

今回の改正は、許可制による派遣労働者の一層の雇用安定と保護、そして、派遣労働者のキャリアアップによる正社員化を主な目的としていますが、3年ごとの職場変更に対する不安の声や、逆に正社員への道を閉ざすのではないかといった批判の声も根強く、政府の狙い通りになるかどうかは不透明です。

 

(注※)一般派遣とは、いわゆる「登録型」の派遣のことで、相手先との派遣契約が終了次第、雇用契約が終了する一方、特定派遣とは派遣元で社員として雇用し、案件ごとに自社の社員を相手先に派遣する「常用型」の派遣の事。

(斎藤 勝)

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