江東区亀戸の税理士|ひろしま会計グループ

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事業承継税制(事業の後継者を対象とした税制)をめぐる動向について

平成20年度税制改正大綱において事業承継税制改正の方向性が示されました。

「中小企業の事業の継続の円滑化に関する法律」(事業継続円滑化法(仮称))の制度を踏まえ、平成21年度の税制改正において「取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度」の創設が発表されました。この改正にあたり、相続税の課税方式を「遺産取得課税方式」に改めることも検討されることになりました。

1.取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度の創設

事業承継を社会的に支援するための制度が創設されました。事業承継相続人が一定の非上場株式を取得・経営していく場合には、その事業承継相続人が納付すべき相続税額のうち、相続税等により取得した議決権株式等に係る課税価格の80%に対応する相続税額の納税が猶予されます。この制度は事業継続円滑化法施行日(20年10月1日予定)以降の相続等からの適用です。なお、この制度の創設により現行の特定同族会社株式等にかかる相続税の課税価格の計算特例(一定の要件を満たした場合に株式時価の10%を減額する)は経過措置を講じた上で廃止されます。

2.相続税課税方式の見直し

相続税の課税方式の見直しが検討されることになりました。現行相続税は、被相続人の遺産総額から相続税額を計算する「法定相続分課税方式」であり、遺産分割の内容にかかわらず、原則として相続税の総額は変わりません。ところが、「遺産取得課税方式」が適用されることになると、相続人等が実際に取得したそれぞれの財産に相続税率を乗じて相続税額が算出されます。そのため遺言や遺産分割の内容によっては相続税の総額が変動し、相続税額が増減することがあります。具体的な計算方法は、平成21年度以降の税制改正において公表される見込みです。

現行、10%の評価減が80%評価減になるという中小企業オーナーにとっては嬉しいはずの改正でしたが、納税がその分免除される訳ではなく、猶予されるだけという改正内容になってしまいました。

また、以下のような厳しい要件が想定されています。

  • 相続発生から5年10ヶ月間は、雇用の80%維持や代表者であること等の経営上の制約
  • 相続発生以後、何年経っても自社をM&A(売却)できない可能性
  • 納税猶予を受けた事業承継相続人(二代目)は自社株を将来必ず?自分の子供等(三代目)に引き継がなければならない  など

(久保 康高)

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